新規サイト025

ナショナル(現パナソニック)昭和32年製のT-1440を修理  


Topページに戻る     素人無線実験局 改造編に戻る       





最初に目についたのは、水平出力管 25E5 の頭が白くなっている。
これはクラックが入って、真空管が満空管(!)になっている証拠。=要交換

シャーシを取り出します。






コンデンサーは劣化がひどくて使えませんねえ。 =要交換





電解コンデンサーを交換しました。(画面中央グレーの 2個)



その奥の長方形の穴は、セレン整流器が付いていましたが、シリコンに交換。







かなりうんざりして来ました。この時代の電解コンデンサーは本当にダメですねえ。
内部から液漏れしていて使い物になりません。手当たり次第に交換するしかありません。



垂直発振回路の周辺に修理の痕跡がありました。
水平発振がダメだと致命的ですが、垂直発振なら軽傷だったかも?






このTVの故障は垂直発振系だと、大昔のサービスマンは見当を付けていたみたいですが、、、



画面右の方、チューナーの左に BRIT(輝度)ボリュームがあります。




わかるかな? 3つある端子の右端が根元から外れている。
アルミのリベットが折れているのです。
これじゃあ、ひょっとすると最初からTVの具合は悪かったんじゃないのかなあ?


とにかく、交換ですが部品が入手できるかネットで探してみます。







部品は 24oなのですが、入手できません。
善後策として 16oを使って、交換しました。





ところで、交換したボリュームの端子ですが、、、



う〜ん、腐食した感じに折れてる。

多分ですが、製造時にリベットにかなりの損傷を受けていた上に半田付けのペーストにより腐食が進んだものと推理します。
通常、この手の部品には故障や欠陥が無いものと信じているので、この部分は点検をスルーします。
全くサービスマン泣かせのトラブルですね。





目視によって不良と思われる部品(電解コンデンサーのほとんど)を交換したので
シャーシを本体に戻して、通電テストをします。



画面左下。  床?に何かシミが付いている。
恐らく、電解コンデンサーの液が漏れ出たものと思います。


修理前の写真、下の写真の右上です。






すっかりキレイになりました。




さて、自信たっぷりに通電試験に臨みました。
あれ〜っ。 ラスターが出ないぞ。

よく見ると 1X2B(高圧整流管)が点灯していません。

また、シャーシを引き出しての作業に逆戻り。







高圧シールドケース内を点検。



あらまあ、フライバックトランスの端子が外れている。
巻線は極細で修理は困難と判断して、次の作戦を考えなければ。。。





これはストックしている昭和33年発売の T14-C1T 。
回路的には修理済なのですが、残念ながらブラウン管が寿命です。
しばらく悩みましたが、思い切って部品取りに格下げすることにしました。




取り外したフライバックトランス。 左が T-1440 、右が T14-C1T 。







やりました。
ラスターが出た!



今はまだ横一線のラスターですが、ここまで来ればもうすぐ峠が見えます。





垂直発振トランスを交換

ラスターが横1本になる原因は、垂直発振してないから。。。
今までの経験から、発振トランスの断線を疑います。 

やっぱり断線していました。 =交換



交換しました。 左下が不良トランス。




テストです



う〜ん、発振するようにはなりましたが、振幅が少ないなあ。。。
(TVをひっくり返しているので、上下は逆)

垂直振幅があと一歩。 ほんの僅か増えればねえ。。。
それよりも深刻なのは、最近画面が暗い。。。 困ったなあ







今日までの総括

今年の1月14日に持ち帰った T-1440 だが、最近は行き詰っている。
中間決算として、振り返ってみます。

半世紀前の民生用家電なので部品の信頼性は低い。 =安いが一番!
特に電解コンデンサーは全滅と判断してすべて交換。 紙コンデンサーも同様。
摘出後に、漏れ電流を測定しても結果はやっぱり劣悪でした。

輝度調整ボリューム、フライバックトランス、垂直発振トランスを交換。 =断線による
ここまでやって、ラスターが出るようになるが垂直振幅が少ない。
B+ や ブースト電圧を上げてみたら、垂直振幅の増大したが画面が暗くなった。
画面が暗いのは画質の良否以前の問題で、見えない画面はテレビじゃないよ。。。

ここまで来て行き詰ってしまうが、ある人から思わぬ指摘をいただいた。
曰く、「ナショナルのブラウン管はヒーターの一部短絡がよくあります。
ブラウン管のヒーター電圧が3Vから4Vぐらいですと一部短絡しています。」
このアドバイスは私にとって目からウロコで、ヒーターは導通しているか切れているかの2択と思っていた常識を覆すものでした。
さっそくB管のヒーター電圧を測ると、2V しかありません。 (定格は 6.3V)
これでは十分なエミッション(画面の明るさ)を確保出来ないのが当然です。


B管の交換が必要です。


交換用のブラウン管 14AHP4-A  なんとNIB(NEW IN BOX))。


キョービどこを探しても売ってない?
このブラウン管の来歴は、メーカーの販促会で景品として出されたもののような感じで
それを 7〜8年前にネットオークションで落札しました。





イオントラップ
B管を観察すると、電子銃が斜めに取り付けられています。



これは友人の JH2CLV 望月さんに解説してもらいました。

本来ならカソードから出た電子しか存在しない筈なのに、イオン化した不純物が輝度面に引き寄せられ中心が焼けるため、電子銃を斜めに取り付けて置いてその方向へ重量のあるイオンを追い出し、本命の電子は軽いのでマグネット(磁界)で向きを変えて輝度面へ飛ばすやり方です。
真空管の中は電子だけがカソードから出てプレートへ直進すると思われがちですが、変な電子やイオン化した異物もいて、真っ直ぐに進まず妙な動きをする現象があります。何しろ電圧(電荷)はHi-Zの世界だと電子レベルでも悪戯をするから困ったものです。

MNI TNX OM
ヒーターの一部短絡と言い、イオントラップと言い B管特有のことは勉強になりました。





ヒーターの一部短絡

一応、チェックしてみました。
NIB品 3.2Ω    一部短絡品 1.2Ω 
(コールド状態なので動作中とは抵抗値が異なる)

それにしても、動作電流 300mAに対して、SW-ONの時には 2A もの突入電流が流れる計算。
従って、ステップアップスタートを考えないといといけないか。。。







不良ブラウン管を取り外し







ブラウン管を交換 そして 調整

交換用のブラウン管には付属品が付いてないので不良ブラウン管に付いている部品を外して、ホコリを払いながら順に組み立てます。



ワ〜イ、うまくいきました! 念のためにイオントラップを動かして調整します。

11年前までなら、ここまで出来たら何かしら画が映るのですが、今はアナログ放送をやってないからねえ。。。






地デジチューナーを接続出来るように改造

地デジチューナーの接続方法には、2通りあります。

その1 オリジナルにこだわり、地デジチューナーからの信号をRFコンバーターに通し
RF信号を受信する。(=超小型送信所を自前で用意する)

その2 この時代のテレビには当然のことながらビデオ端子がありません。
ビデオ入力出来るようにテレビを改造をする。


マニアックなのは その1 ですが、ここでは合理的に その2 を採用します。




テストパターン



画面の上が伸びている。
この原因は、垂直発振の波形が乱れているから。

画面が傾いているのは、偏向ヨークを回せば簡単に治ります。







あと一歩 (我慢できる範囲かも?)


















-----------------------------------------------------------------

この記事を見て「自分もやってみよう!」と思った人に警告

古いコンデンサーは、「漏れ電流」が大きくて場合によっては発火します。
真空管回路のことが分からない人が不用意に通電するのは絶対に止めましょう!


ブラウン管回路は1万ボルト以上の高電圧を扱います。
不用意に触れると(近づいただけでも)感電します。

感電死の危険があります!