設計理念
concept
 クライアント(施主)が10人いれば、敷地条件、プログラム、予算、趣味嗜好、性格、それぞれ10人が10人バラバラで、またそれらの優先順位が人によって違うのも当然のことでしょう。限られた条件のなかではすべての要求を満たすことはできないかも知れません。しかし、その条件でのベストな答えを導きだし、それに加えて予想もしていなかった喜びをクライアントに与えるのがプロの仕事だと私は考えます。そのためには自分自身が不用意に抱いてしまう固定観念は捨てて、できるだけ中立的な状態から計画をスタートするべきだという決意をもって事務所名をニュートラルと命名しました。 

 設計事務所の仕事が図面を描いて、工事監理をして施主に渡して終わりといった時代は、はるか昔に終わりました。今では建物を建てるにあたって、資金計画やそれにかかる税金や維持費等ファイナンスに関する部分も含めた総合的なコンサルティング業務が必要になってきました。業務用施設の場合はそこで働く人の職場環境も考慮する必要があります。

当事務所では設計監理をFM*(ファシリティマネージメント)の手法を用いて、建設にかかるイニシャルコスト(初期費用)、品質、スケジュールだけでなく、長期的なメンテナンスやランニングコスト(維持費)、税金などのファイナンシャルの面も考慮したライフサイクルコストの観点からも行っています。

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設計にあたって心がけていること
1、クライアントの希望するものの本質を見抜く。
希望条件は設計初期の段階ではまだ漠然としている事が多い。打合せの会話のなかで、本当にクライアントが欲しているものが何なのかを見抜く必要がある。
2、わかりやすい言葉で説明する。
たまに耳にする設計者とクライアントとの間のトラブルの原因のほとんどは、単なる説明不足から発生していることが多いと考えられます。打合せではなるだけ一般的な言葉でわかりやすく説明するよう心がけでいます。
3、目標とする基本性能は次世代省エネ基準。
3.11以降、エネルギーに対する姿勢がガラっと変わりました。単に光熱費を抑えるとかのレベルではなく、エネルギーをムダに消費している事自体が恥ずかしいことであるという認識のもとで建物のデザインを考えるようになりました。窓の配置や大きさ、種類、屋根のカタチや外壁の扱いなど、見た目の心地よさに加え省エネ性能も兼ね備えた建築が目下の最終目標です。
4、シビアなコスト管理。
2012年あたりから建設業界の人手不足が原因で建設費の高騰が始まりました。建て主の希望のすべてをそのまま図面にしてしまうととんでもない見積書が出てくることは明らかで、クライアント(依頼主)と一緒になって設計の段階から優先順位をつけ、あまり欲張らずに基本構造がしっかりした建物をめざすよう心がけています。